配当成長率の考え方(3)
前回の記事においては、配当成長率の算出方法についてまとめてみました。今回はこの算出方法に基づき個別銘柄を例として配当成長率を算出することとします。
取り上げる銘柄はわがPFの一角、もしもしホットライン(東証1部:4708)です。
① 予想期間
会社四季報CD-ROMのデータから算出するため10年間とします。
② 現状の指標
直近の情報を確認します。
株価(Price) 1257円
1株あたり配当金額(DPS) 29円
1株当たり利益(EPS) 58.04円
1株当たり純資産(BPS) 601.66円
※株価は平成25年7月22日現在
③ 平均ROE
過去10年間の平均ROEは16.88%でした。
④ 平均内部留保率(IRR)
過去10年間の平均内部留保率(IRR)は63.42%でした。
⑤ 平均配当性向
過去10年間の平均配当性向(DPR)は1-平均IRRにより求められます。よって、1-0.6342=0.366=36.58%となります。
⑥ 平均再投資
毎年の純利益のうち、再投資に振り向けられる割合(RIR)は平均ROE×平均IRRによって算出されます。よって、RIR=16.88%×63.42%=10.71%となります。
⑦ n年後の予想BPS
n年後の予想BPSは、直近のBPS×(1+平均RIR)^nで求められます。n年は任意の期間ですが、ここでは各平均値を過去10年間で算出していますから、10年後の予想BPSを求めることとします。
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+平均RIR)^10=1663.55円
⑧ 予想EPS
10年後の予想BPSをもとに予想EPSを以下の式により算出します。
10年後のEPS=10年後の予想BPS×平均ROE
=1663.55円×16.88%
=280.81円
⑨ 10年後の配当金
10年後のEPSと平均配当性向(DPR)をもとに10年後の配当金を算出します。
10年後の配当金=10年後のEPS×平均DPR
=280.81円×36.58%
=102.72円
⑨ 配当成長率
配当成長率=(102.72/29)^(1/10)-1
=13.81%
以上のとおり、配当成長率を求めることが出来ました。仮に2004年の配当4.5円→2014年予想29円で配当成長率を計算した場合、年率30.41%という数値になり非現実的な数値になります。これに比べたら上記の計算方法によるほうがぐっと現実的な数値と言えます。
また、決算書によるともしもしホットラインの配当性向は50%を目途としていることから平均配当性向36.58%という数値は保守的な数字です。BPSが年率10.71%で増加することが前提となりますが、受取配当金についてはEPS増加率に対して上振れる期待も持てることができます。
このように配当成長率について算出することができたのですが、この配当成長率を活用してどのように買い判断を下すのかが重要なポイントになります。このことについては次回のブログで更新したいと思います。
取り上げる銘柄はわがPFの一角、もしもしホットライン(東証1部:4708)です。
① 予想期間
会社四季報CD-ROMのデータから算出するため10年間とします。
② 現状の指標
直近の情報を確認します。
株価(Price) 1257円
1株あたり配当金額(DPS) 29円
1株当たり利益(EPS) 58.04円
1株当たり純資産(BPS) 601.66円
※株価は平成25年7月22日現在
③ 平均ROE
過去10年間の平均ROEは16.88%でした。
④ 平均内部留保率(IRR)
過去10年間の平均内部留保率(IRR)は63.42%でした。
⑤ 平均配当性向
過去10年間の平均配当性向(DPR)は1-平均IRRにより求められます。よって、1-0.6342=0.366=36.58%となります。
⑥ 平均再投資
毎年の純利益のうち、再投資に振り向けられる割合(RIR)は平均ROE×平均IRRによって算出されます。よって、RIR=16.88%×63.42%=10.71%となります。
⑦ n年後の予想BPS
n年後の予想BPSは、直近のBPS×(1+平均RIR)^nで求められます。n年は任意の期間ですが、ここでは各平均値を過去10年間で算出していますから、10年後の予想BPSを求めることとします。
10年後の予想BPS=直近のBPS×(1+平均RIR)^10=1663.55円
⑧ 予想EPS
10年後の予想BPSをもとに予想EPSを以下の式により算出します。
10年後のEPS=10年後の予想BPS×平均ROE
=1663.55円×16.88%
=280.81円
⑨ 10年後の配当金
10年後のEPSと平均配当性向(DPR)をもとに10年後の配当金を算出します。
10年後の配当金=10年後のEPS×平均DPR
=280.81円×36.58%
=102.72円
⑨ 配当成長率
配当成長率=(102.72/29)^(1/10)-1
=13.81%
以上のとおり、配当成長率を求めることが出来ました。仮に2004年の配当4.5円→2014年予想29円で配当成長率を計算した場合、年率30.41%という数値になり非現実的な数値になります。これに比べたら上記の計算方法によるほうがぐっと現実的な数値と言えます。
また、決算書によるともしもしホットラインの配当性向は50%を目途としていることから平均配当性向36.58%という数値は保守的な数字です。BPSが年率10.71%で増加することが前提となりますが、受取配当金についてはEPS増加率に対して上振れる期待も持てることができます。
このように配当成長率について算出することができたのですが、この配当成長率を活用してどのように買い判断を下すのかが重要なポイントになります。このことについては次回のブログで更新したいと思います。
by ueken2525
| 2013-07-22 19:46
| 投資方針