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うえけんの長期投資への道

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長期投資についてあれこれ語ります。長期投資に関心のある人はお立ち寄りください

長期投資の条件(3)

前回に引き続き、長期投資に資する銘柄発掘のための条件を整理していきます。ここまで書いた投資方針は以下のとおりでした。

条件1 予想PERは市場平均レベルで充分であること
条件2 配当利回りも①と同様に市場平均レベルで充分であること
条件3 上場年月が古い企業であること
条件4 2002年以降減配・無配がないこと
条件5 BPSが安定的に成長し続けていること

ここで、さらに条件を加えていきたいと思います。

条件6 ROEが高いこと

ROEは今更説明する余地はありませんが、こちらの本には違った視点から説明されていて興味深いものがあります。

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 ROEの高さによって、株主資本を効果的に利益につなげているかを確認しますが、単年度だけの数値ではなく、一定期間(少なくとも10か年程度?)の推移から算出する必要があると思います。

 バフェットは株式を疑似債権としてとらえ、ROEを利回りとみなして投資判断を下しています。

 ROEの数値が高ければよい、というのではなく会社の成熟度も加味する必要もあることから、数年間程度の成長期におけるROEの高さよりも、成熟期に入って安定したROEか否かを判断するほうが長期的な投資には向いていると考えます。

 ROEの問題点はバランスシートの負債割合が高く、財務上も不健全である場合でもROEが高くなることから株式投資によるリターンとの相関関係はないと言われます。そこで次の条件を付したいと思います。

条件7 有利子負債営業利益率が低いこと

 有利子負債に対する営業利益の割合を判断の一つとします。事業の継続性にあたり、有利子負債に対する依存度を確認し、利払いによる利益の圧迫や新規事業展開による増資等のリスクを予測します。
 もちろん、無借金経営が悪いわけではなく、株主資本コストとの兼ね合いにおいてもその会社の最適なD/Eのバランスというものがあるわけなので、一定程度の借り入れは許容されるべきだと思われます。

条件8 設備投資売上高比率
 設備投資に対する売上高の割合を確認します。事業の継続にあたって設備投資の依存度を測ることでFCFの多寡を推測します。豊富なキャッシュを稼ぎ、自己調達した資金の範囲で新規事業を開拓したり、自社株買いなどの株価への影響度も検討に入れます。

 条件7と8は 「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」に記載のあった指標で、あまりブログでは散見しませんが、ROEの数値評価とあわせ判断基準とすることで、先に挙げたROEの問題点を回避できるのではないかと考えます。

 以上で長期投資に資する銘柄の判断基準が出そろったことになります。しかし、これ以上に大きな難問が2点存在します。

 第一に各指標のパラメータをどのように設定するのか、という点です。
 長期投資について調べていけばいくほど、たとえばROEは10%以上とか予想PERは15倍以上・・・といった条件を満たすか、という数値的な要件以上にその会社の事業の内容の選別のほうが重要であることを痛感させられます。数値的な条件の設定は必要ですが、数値だけに縛られるのも判断誤りにつながるように思います。

 第二に条件に該当した銘柄をいくらで購入するのか、という点です。
 極めて魅力的な銘柄があっても割高な価格での投資はリターンの低減につながります。では、何をもってその価格が高いのか、低いのか、といった判断基準が求められることになります。

 これらの課題については、次回以降の日記に記していきたいと思います。
by ueken2525 | 2013-01-13 19:36 | 投資方針

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